西洋占星術

西洋占星術について

 西洋占星術とは、月、太陽(占星術の世界では、月と太陽も惑星に含めます)、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10の天体を用いる占いです。星々は日々刻々と移動しながら、瞬間毎に異なる天体配置を形成しています。誕生の瞬間に、生まれたその場所から見上げた星の配置を「ホロスコープ(星図)」にし、惑星と星座の象徴、惑星の角度の意味、それらが位置するハウスなどを用いて、性格や運命、過去、現在の状況、未来などを読み解きます。生年月日だけでなく、出生時刻と出生地などの詳細情報が揃っていることが望ましい占法です。
 一般的に知られている12星座で占う星占いは、西洋占星術とは別のものです。雑誌やコンテンツなどで見かける星占い「12星座占い」は、春分点(ちょうど牡羊座の位置)を基準に、太陽の通り道である黄道を30度ずつ12に分けた黄道12宮(牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座)を目印に、1年間で地球を1週する太陽が、誕生日に何座の宮に位置していたかで星座を特定し、その星座の象徴で占います。太陽だけを用いる「太陽占星術」という占いです。生まれた月日からも手軽に星座を特定できる便利で手軽な占法です。
 現代の西洋占星術のベースとなる占星術の起源は、紀元前7世紀頃のバビロニア時代に遡ります。オリエント文明の栄えたチグリス・ユーフラテス河の流域一帯で発祥したという説が有力です。古代バビロニア王国には、「神聖科学」という高度な天文学や数学、暦学、医学の知識を持ったカルデア人科学者たちが多く存在し、季節と連動する星の動きから暦を作る一方で、大きな天災や疫病、戦争などが訪れる時に、星々が特別な動きをすることを発見しました。現代は恋愛や金運などを占う個人的な占いが一般的ですが、昔は天変地異や敵国の動きなどを予測する大きな事象を占うことに用いられていたのです。バビロニアがアッシリアに滅ぼされると、ギリシャ、ローマ、アラビアへと逃れたカルデア人によって、占星術が各地に広まっていきました。各国の神話や宗教観、哲学と合わさり、様々な宗教や時代の影響を受け、発展、ブーム、衰退を繰り返しながらルネサンス時代を迎え、ギリシャの天文学者クラウディオス・プトレマイオスは、著書『アルマゲスト』で天動説を唱え、現代の西洋占星術に受けつがれているホロスコープを用いた占星術の骨格を『テトラビブロス』に著しました。15世紀にコペルニクスの地動説が発表されると、実際の星の動きを見るのが天文学、見かけ上の星の動きを読むのが占星学というように、始まりは同じ天文学だったものが二極化し、溝を形成するようになりました。一方で、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を発明し、天体観測が盛んになると、天文暦を出版したウィリアム・リリーや、占星術を大衆化させたアラン・レオなどが活躍するようになり、現代の西洋占星術として親しまれるようになったのです。

 

占い方

ホロスコープを作成し、12星座と12ハウス、そこに配置された星の象徴を、星が形成する角度と合わせて読み解きます。LUA的解釈では、星座は性質、ハウスはステージや流れ、天体はイベントを意味すると分けています。○○座の性質を持つ天体が、ステージでイベントを起こすというニュアンスです。以下に、それぞれの象徴をざっとご紹介しました。

 

12星座

黄道を30度ずつに12等分したもので、12サインとも呼びます。

  牡羊座
二区分:男、三区分:活動、四区分:火、支配星:火星
誕生石:ルビー、カラー:レッド、部位:頭部
象徴:自我、自信、No.1、リーダーシップ、好戦的、瞬発力、エネルギー、積極性
  牡牛座
二区分:女、三区分:不動、四区分:地、支配星:金星
誕生石:エメラルド、カラー:グリーン、部位:頸部(首、喉)
象徴:所有、欲求、五感、持続性、のんびり、平和主義、忍耐力、頑な、現実的
  双子座
二区分:男、三区分:柔軟、四区分:風、支配星:水星
誕生石:アゲート、カラー:イエロー、部位:肩、腕、手
象徴:好奇心、思考、情報、知識、会話、鮮度、タイムリー、変化、二面性、社交
  蟹座
二区分:女、三区分:活動、四区分:水、支配星:月
誕生石:ムーンストーン、カラー:ホワイト、部位:胃、食道
象徴:感受性、感情、一般的、ドメスティック、仲間意識、敵対心、防衛本能、母性
  獅子座
二区分:男、三区分:不動、四区分:火、支配星:太陽
誕生石:ダイヤモンド、カラー:ゴールド、部位:心臓、背部
象徴:子供、遊び、創造、演出、ドラマ、派手さ、自己中心的、プライド、父性
  乙女座
二区分:女、三区分:柔軟、四区分:地、支配星:水星
誕生石:サードオニキス、カラー:ブルー、部位:腹部、腸
象徴:観察、分析、真面目、奉仕、乙女チック、几帳面、批判精神、整然
  天秤座
二区分:男、三区分:活動、四区分:風、支配星:金星
誕生石:ペリドット、カラー:ピンク、部位:腰部、胴、腎循環
象徴:美的感覚、好感、社交、バランス、八方美人、中庸、パートナー、対人関係
  蠍座
二区分:女、三区分:不動、四区分:水、支配星:冥王星
誕生石:オパール、カラー:ブラック、部位:性器、泌尿器
象徴:洞察力、霊的、秘密主義、執念、独占欲、ジェラシー、ミステリアス、ディープ
  射手座
二区分:男、三区分:柔軟、四区分:火、支配星:木星
誕生石:トパーズ、カラー:パープル、部位:大腿部、臀部
象徴:探求、向上心、博識、挑戦、冒険、野性と理性、行動力、ロマン
  山羊座
二区分:女、三区分:活動、四区分:地、支配星:土星
誕生石:ターコイズ、カラー:ブラウン、部位:膝、骨格系、皮膚
象徴:慎重、野心、責任感、努力、達成、冷静沈着、利己的、現実主義
  水瓶座
二区分:男、三区分:不動、四区分:風、支配星:天王星
誕生石:アメジスト、カラー:シルバー、部位:ふくらはぎ、足首
象徴:知的、シニカル、エキセントリック、ユニーク、自由、博愛、客観性、理屈
  魚座
二区分:女、三区分:柔軟、四区分:水、支配星:海王星
誕生石:アクアマリン、カラー:クリア、部位:足部、リンパ系
象徴:直観力、イマジネーション、夢想的、現実逃避、自己陶酔、同調、優柔さ、混沌

 

※二区分
女性星座と男性星座の二区分。陰陽、男女、プラスマイナスを表す。
男性星座:外交的な性格と能動的な行動で自己表現的。
女性星座:内交的な性格や受動的な行動で自己抑制的。

 

※三区分
活動、不動、柔軟の三区分。
活動宮:自意識が強く、物事に積極的で自主的に行動。
不動宮:忍耐強く、物事をやり抜く逞しさで地道に行動。
柔軟宮:相手に合わせる柔軟な姿勢で、調和的に行動。

 

※四区分
火、地、風、水の四区分。四大、または、4エレメントとも言う。
火:情熱的で熱烈な精神
地:五感に優れ現実的
風:知的で適応力が高い
水:情緒的で心で受け止める

 

10天体

  太陽
数字:1
象徴:自分、基本的な性格、目的、人生
支配星座:獅子座
 
数字:2
象徴:感情、好み、反応、無自覚、健康
支配星座:蟹座
  水星
数字:5
象徴:知性、能力、学習、流動性
支配星座:双子座/乙女座
  金星
数字:6
象徴:愛、欲求、歓楽、美的感性
支配星座:牡牛座/天秤座
  火星
数字:9
象徴:パワー、行動、意志、攻撃性
支配星座:牡羊座
  木星
数字:3
象徴:幸運、発展、拡大、保護、寛容
支配星座:射手座
  土星
数字:8
象徴:努力、責任、制限、現実面
支配星座:山羊座
  天王星
数字:4
象徴:個人的な自由・個性、変化、自覚
支配星座:水瓶座
  海王星
数字:0
象徴:無意識、あいまい、陶酔、見えないもの
支配星座:魚座
  冥王星
数字:7
象徴:消滅、死、強制的な変化、極限
支配星座:蠍座

 

12ハウス

    第1ハウス

    方角:東
    象徴:本人、生命、外見、先天的なもの、生まれた環境、入口

    第2ハウス

    方角:東北東
    象徴:所有、財源、自分で使えるもの(金銭、才能)、先祖

    第3ハウス

    方角:北北東
    象徴:知識、交流、近隣、親族、兄弟姉妹、交通、通信、商売

    第4ハウス

    方角:北
    象徴:家庭、土地建物、住居、食堂、お墓、晩年、異性の親

    第5ハウス

    方角:北北西
    象徴:創造、娯楽、恋愛、投機、ギャンブル、会場、雑踏、子供

    第6ハウス

    方角:西北西
    象徴:労働、雇用、奉仕、健康、部下、小動物、借地、仕事場

    第7ハウス

    方角:西
    象徴:パートナー、出会い、結婚、契約、取引、対立、相手先

    第8ハウス

    方角:西南西
    象徴:遺産、死、配偶者や協力者の財産、他人の影響

    第9ハウス

    方角:南南西
    象徴:意識、信念、哲学、宗教、研究、旅、専門機関、孫

    第10ハウス

    方角:南
    象徴:社会的立場(職業)、使命、名誉、組織、同性の親、いとこ

    第11ハウス

    方角:南南東
    象徴:友人、希望、コミュニティー、連盟・連合、平等、養子

    第12ハウス

    方角:東南東
    象徴:犠牲、障害、秘密、病院、隠遁、離れ、隠れた敵

 

アスペクト

 複数の星で形成される星の角度です。吉凶などの意味合いを加味しながら星を読み解きます。ご紹介しているのはポピュラーなアスペクトです。他にも多くのアスペクトがあります。

※一般的な吉凶を解説しましたが、実際には、何を占ってどの天体がアスペクトを形成しているのかで変わってきます。凶であっても、凶をバネにして成功を掴むこともあれば、吉の配置をいかせずに終わってしまう場合もあるので、いずれにしても油断は禁物です。

 

  0度-コンジャンクション
星の関係:強調、状態:星と星がほぼ同じ位置にある
解釈:星が強調し合って意味が強化される。吉凶の判断は半々。
月の満ち欠けでは:月が太陽と重なる「新月」
  30度-セミセクスタイル
星の関係:調和、状態:星と星が30度の位置にある
解釈:隣り合う星がお世話する人される人のように調和する。吉凶ではやや吉。
  60度-セクスタイル
星の関係:好機、状態:星と星が60度の位置にある
解釈:星が好影響を及ぼし合って物事が円滑に進む流れ。吉凶では吉。
  90度-スクエア
星の関係:障害、状態:星と星が90度の位置にある
解釈:苦手意識や葛藤、乗り越えるべき困難などを意味する。吉凶では凶。
月の満ち欠けでは:月が太陽と90度になる「上弦」「下弦」
  120度-トライン
星の関係:安定、状態:星と星が120度の位置にある
解釈:星の働きを高め合い、成功を掴む可能性。吉凶では吉。
 

150度-クインカンクス
星の関係:圧力、状態:星と星が150度の位置にある
解釈:課題を与え合う。自己成長の鍵になるというのがLUA的解釈です。
吉凶ではやや凶。

  180度-オポジション
星の関係:緊張、状態:星と星がほぼ真反対にある
解釈:星が拮抗し合って意味合をもたらしている。吉凶の判断は恋愛以外では凶。
月の満ち欠けでは:月が太陽と真反対になる「満月」

 

 

星座の境目に生まれた人の本当の星座は?

 この本では○○座なのに、あの雑誌で見たら○○座だったという経験のある人は、星座の境目に生まれた人です。地球の公転周期の影響で、毎年春分点が変わるため、星座の境目が変わってしまうのです。本当の星座を確かめるには、ホロスコープが必要になります。占い師を訪ねるのはもちろん、ホロスコープ作成サイトやソフト、アプリなどを用いるといいでしょう。


星座の境目に生まれた人の本当の星座は?